20-05-19  ヒアリングおよび撮影実験 1


こけし蒐集家であり研究者でもある高橋五郎氏に、こけし研究のこれまでと現状についてヒアリングを行った。そこから、こけし創生期の実態を解明するという課題が見つかった。最初に、こけし創生期の実態解明に迫る鍵となる、創生期に最も近い明治期(1868〜1912年)に創られたこけし(作者不明)の撮影実験を行うこととした。創生期に創られたこけしは経年劣化により頭部に描かれている顔や胴に描かれている模様が退色している為、デジタル一眼レフカメラによる撮影および赤外線フィルターで撮影し、模様の可視化を試みるためである。こけしは円柱型のため照明の角度によって光が反射してしまい撮影が難しい。照明の角度や種類について検討しながら試した。NikonD75に赤外線フィルタ(IR720)を装備して撮影した。照明は撮影対象の左右にデイライトを1本つづ配置した。撮影後にPhotoshopで編集した。

20-06-02  撮影実験 2


 撮影実験1では、デイライトの光が撮影対象であるこけし本体に反射してしまった為、撮影実験2では撮影ボックス(90×90×90cm)を使用した。こけしを撮影ボックス内に設置し、照明はデイライトからLEDライトに変更した。LEDライトは熱が発生しにくい為、撮影対象への影響が少ないと考え採用した。しかし、こけしに反射し、光沢が出てしまった為、模様が見えにくくなってしまった。更なる改善が必要である。

20-06-16  撮影実験 3


 撮影実験3では、撮影ボックスをやめ、撮影用背景シートのみで撮影を行った。また、照明はLEDライトからLEDライトソフトボックスに変更した。こけしに描かれている模様をより分かりやすく見れるように、模様を展開図にして検証することを考えた。展開図を制作する為の撮影方法として、最初に、ビデオカメラで撮影し動画を静止画にして、画像を繋ぎ、展開図の作成を行ったがし、解像度が低かった為、デジタルカメラでコマ撮り撮影をすることとした。こけしを回転台に置き、手動で角度を変えながら撮影を行った。展開図にした時に、画像のズレが生じる可能性を考慮し、様々な角度(15度、25度、35度)で試す必要があった。

20-06-30  撮影実験 4


 撮影実験3で撮影した角度では、展開図にした時に画像にズレが生じることが分かった為、撮影実験4では、撮影する角度を10度とし、36カット撮影した。また、撮影対象に光が反射しないよう、LEDライトソフトボックスに加え、レフ板を使って照明の当たり方を調整した。

20-07-07  撮影実験5


 撮影実験4の撮影結果を展開図にしたところ、画像のズレがなく展開できた為、同様の角度(10度)で赤外線撮影を行った。照明はデイライトを用いた。また、撮影実験4の結果から、模様の繋がりが把握できた。

20-08-26  再現こけしの撮影